スピーキングのスコアが上がらない
スピーキングのテクニックを知りたい
スピーキングの勉強方法がわからない
他の学習者の勉強法を知りたい
このページで紹介する勉強法を実践すれば、スピーキングのスコアを効率よく上げることができます。
実際に、日本生まれ日本育ちの私が、IELTSスピーキングスコアを4.5→6.5に伸ばしました。
IELTSスピーキングの概要や出題傾向などを知っている人は、目次の『IELTSスピーキングスコア4.5→6.5を達成した私の勉強法』から、読み進めてください。
IELTSスピーキング概要/問題傾向
IELTSスピーキングテストは、通常11~15分程度です。
試験会場によっては、筆記試験と同じ日、または筆記試験の後に実施されます。
試験中の音声は録音され、必要に応じて再採点ができるようになっています。
試験は、身近な話、スピーチ、ディスカッションの3つのパートに分かれています。
正解・不正解はなく、試験官は採点基準に従って受験者を評価します。
もし、受験者が何を聞かれているのかわからない場合は、試験官に質問を繰り返すようにお願いすることができます。
スピーキングの問題傾向
スピーキングのパートは3つ!
・Part1 身近な話
試験官が自己紹介を行い、その後、受験者の自己紹介を誘導します。
受験者の身分証明に関連する質問がなされ、家族、仕事、研究、興味など身近な話題について話し合われます。
・Part2 スピーチ
受験者にタスクカードが渡され、指定されたテーマについて1~2分間でスピーチを行います。
そのスピーチの前に、受験者には準備とメモを取るための時間が1分与えられます。
・Part3 ディスカッション
パート2で与えられたトピックについて、試験官がさらに問題を出します。
ここでは、受験者は自分の意見を述べ、関連する一般的な問題について話す必要があります。
短い答えではなく、質問に対して説明や例を挙げることが得点アップにつながります。
スピーキングの採点基準
IELTSの試験官は、以下の評価基準に照らして受験者のスピーキング能力を採点します。
- 流暢さと首尾一貫性
- 語彙の豊富さ
- 文法的な範囲と正確さ
- 発音
このうち、私にとっては『流暢さと首尾一貫性』がすごくイメージが付きづらくて難しいと感じました。
ライティングでも同じような採点基準があるんですが・・・
どうやって対策していったか、ということについてはこの記事で書いていきます。
IELTSスピーキング 学習期間の目安
一般的に、スコアを0.5点上げようと思ったら、200~300時間程度の勉強が必要だと言われています。
スピーキングの得意・苦手もあると思いますので、そこは個人差があるところでしょう。
私は日本生まれの日本育ちで、海外も短期留学の経験しかありませんので、普段、英語で話す機会はありません。
スピーキングは、日本人は苦手と言われていて、私も心配していました。
でも、6.5までは意外に(思ったよりは)短い期間で到達できたな、というイメージです。
下で書くような勉強法やコツをおさえてやっていけば、そこまで恐れることはないと思います。
IELTSスピーキング スコア4.5→6.5を達成した私の勉強法
勉強法①:採点基準を理解する
スピーキングテストの採点基準を理解することは非常に大切。
対策を始める前に、上に書いた「採点基準」を把握しておくことで、効果的な対策ができます。
同様に重要なのは、「何が採点に関係ないか」です。
- 話す内容については評価されません。
- 知識や知性を試されることはありません。
- 専門家のような知識は必要はありません。
ここは、私もけっこう勘違いしていたポイントで、無意識に、「賢そうな答えをしなきゃ」とか思っちゃうんですよね。
ただただ、採点基準に沿って、少しでもポイントが上がるような受け答えをする・・・
それだけを心がけました。
勉強法②:使える表現を増やす
IELTSのSpeakingでは、語彙力が得点の25%を占めます。(Writingも)
私は、オリジナルのスピーキング用のフレーズ帳を作り、持ち歩いて覚えていました。
このときのポイントは、単に意味を覚えるだけではなくて、自分が使えるかどうか?ということを意識していました。
意味を覚えていても、すらっと口から出てくるようでなければ、覚えなおしします。
このフレーズ帳は、IELTS単語集・普段見ているドラマや動画から気になるものを取ってきたのと、
IELTSスピーキングの問題や模範解答から「使えそう」と自分で思ったものを書き込んでいました。
オリジナルの単語フレーズ帳を作るメリットは、自分の考えや感覚を反映した表現を集められるということ。
実際に日本語で話しているときも使いそうなもの、ということです。
また、IELTSスピーキングにはテーマがあります。
- 家族・友人
- 趣味
- お金
- 旅行
- 場所
- 教育
- 仕事
などなど・・・
テーマに沿った単語熟語を知っておくと、かなり役立ちます。
例えば、「有給休暇」ってなんて言うの?とか。
そういう単語をピックアップしていました。
勉強法③:瞬時に英作する練習をする
英語を話すということは、筋トレのようなものだと感じています。
筋肉を鍛えていないと、なかなか体力もついてきませんが、
鍛えていると、だんだん重いものを持ち上げられるようになってきたりします。
同じように、英語を話すことを日々鍛えていると、少しずつ、英語が口から出てくるようになります。
これは、脳の働きというか、瞬発力?みたいなものが鍛えられるのかな、と思います。
この瞬発力を鍛えるために、私は「英語のハノン」というテキストを使って、瞬間的に英作文をして口から出す、というトレーニングをしていました。
英語のハノンについては、この記事の最後に紹介しています。
勉強法④:何度も繰り返し練習を行う
スポーツのように何度も練習する、というのが、特にスピーキングではカギになってくると思います。
ただ、IELTSの場合は「自分一人がペラペラしゃべる」という状態を鍛えなければいけないので、そこが難しいところです。
英会話レッスンだと、「会話のキャッチボール」なので、向こうがしゃべっている時間もけっこう多いです。
そのため、英会話は意外にIELTSスピーキングの訓練にはならないこともあります。
私も英会話レッスンを受講していたことがあったのですが、あいづちとか「間」が取れるようになったのは良かったと思うのですが、自分のしゃべる能力はアップしませんでした。
なので、IELTSスピーキングをたくさん練習する、というのは基本的に自分で家でやったほうが効率的だと感じました。
スピーキングに関しては、「たくさんの問題文を使って練習する」「一つの問題文に対して何度も練習する」という2方向
つまり、数×繰り返し、というのが良かったと思います。
うまくできた問題は良いのですが、あまり納得がいかなかった問題については、3回くらい繰り返して答える練習をしました。
私が登録していた無料IELTSメール講座では、試験に95%以上、出題される予想問題が定期的にもらえました。
勉強法⑤:とにかくたくさんの英語を聞く
スピーキングでは、フレーズをパクるというのはとても有効だと思います。
スピーキングの場合は、そのまま言い方(発音やアクセントなど)をマネできるように、「たくさん聞く」というのが効果的でした。
これについては、リスニングの勉強法でも書きましたので、見てみてくださいね。
勉強法⑥:添削してもらう
採点基準に沿った答えを練習する、と上で言いましたが、
- 実際に自分の答えがきちんと沿っているのか
- 4つの基準のうちどれが弱点なのか
- どのように改善させていくべきなのか
ということを自分自身で判断するのはとても難しいと思いました。
トレーニングには、どうしても時間がかかるので、どこに重点を置いて改善していくべきなのか、ということを確実に知っておくと、安心して集中できます。
すでに習得していることと、苦手なことに同じように重点を置くと、貴重な準備時間を無駄にしてしまいますからね。
ネイティブになりたいわけではなく、あくまでもIELTSスピーキングで目標スコアを取るには、どこをどうしたら一番近道なのか。
それを誰かに指導してもらうことは、絶対に必要です。
私は、受講したIELTSオンライン講座で上限なしの添削をしてもらっていました。
日本語で、どこが足りないのかはっきりと教えてもらうと、私の場合はとても良かったです。
IELTSスピーキングのスコアをアップさせるコツ
スピーキングのスコアを上げるコツは、全部で8つ!
- つなぎのフレーズを覚える
- 答えを広げる
- 様々な文法を使用する
- 答えを丸暗記しない
- ウォーミングアップをする
- 流暢性にフォーカスする
- ストラクチャーを使う
- 緊張を和らげる
それぞれ、詳しく解説します。
コツ①:つなぎのフレーズを覚える
英語を話すときに、スラスラと詰まることなくしゃべれる人というのは、多くないと思います。
もちろん私も、詰まりながら話しています。
でも、IELTSのスピーキングでは、できるだけ「シーン」としている時間を少なくする必要があります。
そのため、どうするかというと、「つなぎのフレーズ」を使えるようにしておくのが有効です。
私が使ったフレーズは、こんな感じ。
- That’s an interesting quetsion.(それはおもしろい質問ですね)
- I’ve never thought about it.(考えたこともなかったです)
- Let me see…(ちょっと考えさせてください)
- That’s a good point.(良い質問ですね)
- That’s a difficult question, but I’ll try…(難しい質問ですが、考えてみます)
ポイントは、こういったフレーズも、思い出すのに考えているようだと「つなぎ」にならない、ということです。笑
自然に口から出てくるように、口に出して練習しておきましょう。
コツ②:答えを広げる
試験官の質問に、ただ答えるだけではなくて、答えを広げるようにするのがコツです。
特にPart 1では、受験者が何かを答えるとすぐに試験官が「Why?」と聞いてくるのですが、それを言われる前に、理由を答えておきます。
例えば、こんな感じ。
試験官:Do you like sports?(スポーツは好きですか?)
受験者:Yes, I like sports.(はい、好きです)
試験官:Why? (なぜ好きなんですか?)
このように、Why?と追って質問される前に、最初に理由まで含めて答えるのが良いみたいです。
試験官:Do you like sports?(スポーツは好きですか?)
受験者:Yes, I like sports because it’s fun and good for health.(はい、好きです。なぜなら楽しいし健康にも良いからです)
ちなみに、これは日本語での会話などでも応用でき、練習できます。
日ごろから、何かを聞かれたら理由とセットですかさず答えるようにしておくと、英語でも出やすくなります。
コツ③:様々な文法を使用する
IELTSスピーキングの採点のうち、25%は「文法」となっています。
この文法の採点基準は二つに分かれていて、
- 文法の間違いが少ないこと
- 様々な文法が使えること
という側面から採点されます。
間違いが少ないこと、というのは、ある程度限界もありますが・・・
スピーキングに慣れてきたら、色々な文法を使ってみる、というのも有効だと思います。
特に、時制はどの文章にも出てくるし、日本人にとっては使いわけがとても難しいので、
私は正しく時制を使えるように、特に努力しました。
よく出てくるのは、過去形・現在形・現在進行形・現在完了形です。
これらを特に、うまく使えるようになると良いと思います。
採点してもらったものや、自分で録音したものを聞いて「あ、ここは現在完了形を使うべきだな」とか、そういう気づきから学んでいきました。
コツ④:答えを丸暗記しない
ライティングでも同じなのですが、スピーキングでは、切羽詰まってくると、特に解答を暗記したくなると思います。
そのため、文章単位ではなく、単語やフレーズで「良いな」と思ったものを模範解答から抜き出してマネする、ということを続けていました。
これを続けていると、なんとなく、色々な問題に対応できるようになっていきました。
文章単位だと、問題が違った時に対応できないので、フレーズ単位・単語単位で覚えていました。
コツ⑤:本番前にウォーミングアップをする
スポーツ選手は大会の前、体を温めるために軽くウォームアップ運動をしますよね。
それとまったく同じように、IELTSの本番試験の当日や直前には、英語を話すと効果的だと思いました。
英語を話す、といっても、誰かと会話するのは難しいので、シャドーイングや音読をする、ということです。
直前の段階で口から英語を出しておくことで、本番でも回転が良くなるというか、スルっと英語が口から出やすくなりました。
かなり、おすすめです。
コツ⑥:流暢性にフォーカスする
IELTSスピーキングで、流暢さは点数の25%を占めるので、文法や発音の正しさと流暢性のバランスを取る必要があります。
ただ、ふつうに練習していると、とにかく「正しさ」にフォーカスしてしまいがちだな、ということに初期の段階で気づきました。
流暢というより、自分で間違いを訂正したりするために、詰まりながら話すことになってしまうのです。
これは、後々でかなりの問題になってきそうな予感がしたので、まずは口から英語が出てくるように、英語を話す時間を増やすことにしました。
英語を話すといっても、スピーキング勉強法④で書いたように、英会話レッスンだと効率が悪いと感じたので、一人で家で練習しました。
私がやったのは、おもに2つです。
1つ目の流暢性対策
1日の終わりに、本当にうまくいったこと、嬉しかったことを1つ、もっと良かったことを1つ思い浮かべて、英語で話しました。
日記を話すような感じです。
これはもともと、私は日本語で寝る前にやっていたので、英語に置き換えるというだけでした。
2つ目の流暢性対策
SNSやネットに掲載されている写真を選び、それについて話す
- これは何か?を説明する
- 写真の中で行われている活動について話す(現在)
- 撮影される前に何が行われていたかを推測する(過去)
- 次に起こるかもしれないことを推測する(未来)
こちらも、SNSは日常で使っているので、写真や画像を見たら、少し説明するという習慣をつけました。
どちらも、とにかく流暢性に重きをおいて、文法の正しさなどは気にしないようにしました。
どうせ一人なので、だれかが修正してくるわけでもありませんしね。
コツ⑦:ストラクチャーを使う
特にPart 3では、「言うことが無い!」ということに悩まされました。
試験官の質問に答えることが精いっぱいになってしまうのです。
最初に受けた本番試験では、試験官が「もっとしゃべって!」というように、手でジェスチャーをしてくれるほどでした(本来は、試験官は助けてはいけないことになっています)。
そこで私が使用したのが「何をどの順番でしゃべるのか」ということをあらかじめ決めておく「ストラクチャー」です。
スピーキングのパート3では、こんな感じで話しました。
- 質問に対する答え
- その理由
- 具体例
シンプルな3ステップ。
答え方の順番は、これに固定することで、「次に何を話そう?」と考えることがなくなり、かなり役立ちました!
ライティングも同じで、ストラクチャーを使うと、スムーズです。
コツ⑧:緊張を和らげる
IELTSは、ネイティブスピーカーとの対面試験なので、どうしても緊張してしまいます。
そして、本来の力を出せないことも…
下記の記事で、緊張対策について詳しく書いています。
IELTSスピーキングスコア6.5の私が使用した参考書
最後に、私がIELTSライティング対策として使用した参考書を紹介します。
IELTS特化の単語集
IELTSの試験にでてくる英単語を網羅!
英語のハノン(中級)
英会話レッスンより、実力がつくと話題の、スピーキング対策の参考書!
今回は以上になります。
スピーキング以外のIELTS対策をまとめた記事があるので、ぜひ読んでください!